2007年7月30日

「LPジャケット美術館」を見て    
            (グラフィック面のみの感想)

大久保 貴枝子


7月28日(土)例会終了後早速書店に飛び込み、高橋敏郎著「LPジャケット美術館」を手に入れました。レコードジャケットと一言で言ってしまうには恐れ多いような巨匠の手によるジャケットには、絵画を鑑賞するがごとき興奮を覚えました。シャガール、マチス、ビュフェ、ベン・シャーンのイラスト等々「これがレコードジャケットか!」という感じです。
古さを感じさせない構成力・色使い・レイアウトの妙・発想の豊かさ。うらやましい気持ちにさせられるレコードジャケット全盛の時代。CDの世界にはない情感が漂ってくるようで、本当に「30cm四方の美術館」という言葉にピッタリの仕上がりになっていると思いました。
欲を言えば、気に入ったレコードジャケットを一点一点額に入れて「30cm四方の美術館」としてどこかのホールで作品を展示したものを見たいような、そんな気分になりました。
「そうだ私はやってみよう」という事でセル指揮クリーヴランドオーケストラのブラームスの1番を額に入れて飾ってみました。(葉巻をくわえたブラームスのシルエットが気に入っています)。本を手にして「30cm四方の美術館」などという言葉を目にしなければ″レコードジャケットを飾ってみよう″などという気にはならなかったと思います。額を変えただけでいかにも音楽好きな人の部屋に変貌、少し豊かな気分になりました。「ウン、とりあえず満足!」