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旧井上家住宅「土蔵」SPコンサート記録

2017年11月25日

分科会資料
市教委共催事業
SP蓄音器:小笠原富雄
解説 : 高橋敏郎
記録 : 脇田隆夫

 

昨年11月、旧井上家住宅母屋で市教委共催事業として手巻式SP蓄音器コンサートを実施。
底光りする重厚な母屋で朗々・凛然と響く蓄音器は、作成者小笠原会員が今まで一番の響きであったと述懐している。

我孫子市指定文化財井上家には二つの土蔵がある。江戸末期築造の二番土蔵は3.11地震の損傷もあり現在保存工事中。今回会場となる新土蔵は昭和5年の築造。
SPレコードの曲目は主に同時代1930年頃として新土蔵が完成した時代を偲ぶものとするのが狙い。
当時は電気録音の初期にあたる。ラッパ吹き込み・電気吹き込みを交えての音源。新土蔵での響きは如何なるものか、興味は尽きない。

偶々当会では、「我孫子市民の力」イベント参加でけやきプラザ11Fうな吉ルームにてスカイラウンジコンサートを朝から実施する手配。
エジソン蝋管蓄音器からハイレゾまで、音楽再生の歴史を辿るシリーズの最終回。10月からの川村学園大、中央学院大の学園祭に続く3回目である。
今回、貴重な蓄音器をご提供頂いた古典音響機器ギャラリーの中鉢会長が直々プレゼンテーションをして下さる日である。人繰りはどうする?
幸い多くの会員が役割分担して双方に参加。井上家には7名が応援参加となる。

幸いの好天なれども蔵は予想以上に寒く、底冷えがする。会場に着くと石油ストーブが外に出してあり、もうもうと白煙を上げている。ストーブの調子が悪いのだとか。結局、暖房は中止。ま、指定文化財だから仕方ないか・・

開演定刻2時には36名のお客様が集まる。みなさん覚悟してダウンジャケットを羽織っており、防寒対策十分。用意した椅子は40席、一部の会員は立ち見。これでお蔵は満席。

レコードの泰斗高橋会員の解説で先ずはカルーソのオーソレ・ミオから。
壁はコンクリートだが何しろ天井が高い。稍ライブで籠りがちなれども飴色の小笠原巨大ホーンは自然で悠々と鳴る。

ガチクルチのソプラノ、シャリアピン、リリー・ポンズのコロラトーラソプラノ。ヴァイオリン、カザルス、ピアフのシャンソン、小唄勝太郎の端唄と様々なジャンルのプログラム。この年代の音源をよく蒐めたものだ。

高橋会員の格調高い名解説で引き込まれ、あっと言う間に10曲の演奏が終わる。
終演となるも、名残惜しいのか、多くの方が蓄音器に群がり、触るやら、写真撮影に忙しい。

当日のプログラムはこちらをクリックしてご覧ください

趣旨に相応しい曲を有難う、なんとも暖かい音色でしたと、お客さまのご感想もあり好評でした。
音の響きは一歩母屋に譲るものの、築造時の音の調べに土蔵も耳を傾けていた事でしょう。

以上    

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